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車を走らせながらふと見ると、私たちの町には本当に様々な飲食店があることにあらためて気づきます。定番のチェーン店や高級料亭、地元の食材を使うお店や個性豊かな個人店など。
最近では外食がより身近になったことで、みなさんも行きつけのお店がいくつかあるのではないでしょうか?そんな私たちにとって、健康に配慮されたお料理は嬉しいですよね。
今回ご紹介するのはそんな身体にやさしい料理と、心あたたまる雰囲気が人気の『とろろや』を経営する株式会社フードフォレストさん。
浜松市中区佐鳴台にある浜松本店を中心に市内に4店舗、名古屋に2店舗を構える『とろろや』を中心に飲食店を経営しています。
また、平成28年に開店した東区天王町の『café SOCO』や西区入野町の『とんかつ八兵衛』など、とろろやとはまた違った雰囲気を持つお店も展開されています。
浜松駅前にある『浜松メイワン店』でお話を伺ったのは、代表の森口さんです。
「浜松本店は、もともと他の方が経営していた『とろろ茶屋』というお店があって、その経営を引き継いだのが始まりです。22〜23歳の頃かな。その前は、東京で音楽雑誌のライターなどをしていました。」
経営をはじめたきっかけは、「占い」で商売に向いてる星があるといわれたことだという森口さん。その占いの話を信じて周りに話していたら、たまたま『とろろ茶屋』の話が来たのだそうです。
それまで飲食業の経験はまったくなかったそうですが、経営を引き継ぐためにとろろ茶屋でアルバイトとして働き出すと、料理を届けたり、お話をしたりしてお客さまに喜んでもらえるのが本当に楽しかったそうです。
「お話させてもらって常連さんが増えたりするのもすごく嬉しくて、なんで今まで自分は接客をやってこなかったんだろうってすごく思いました。」
一方で、実際にお店を引き継いでみると、苦労の連続だったそう。経営のことももちろん初めてだった森口さんは、売上を作ることのほか、コスト管理や人材雇用など様々なことを、失敗を繰り返しながら身につけていったそうです。
経営をはじめた理由のもうひとつは、母を見ていたからという森口さん。実は、以前お父さんが経営していた会社が倒産して経済的に苦しい時期があったそうですが、そんな中でお母さんが料理屋をはじめて人気店となりました。
「自分もうまくいくはずなんてどこか思ってしまっていたんですよね。でも実際にお店を経営してみると、本当にたくさんの苦労がありました。『飲食店で働く』ことと『飲食店を経営すること』は全く違うこと!と、経営をはじめて痛感しました。」
そんなふうに一からスタートした飲食店の経営ですが、創業当初から大切にしているこだわりは、『身体へのやさしさ』です。
「今でこそ、健康に配慮したメニューを提供するお店も増えましたが、当時は外食をすると栄養が偏ってしまうというイメージが大きかったと思います。そんな罪悪感を持たずに、日頃は忙しいお母さんがたまにゆっくりできるお店になれるといいな、というふうに思っていました。」
実際にメニューを見てみると、食材豊富でたっぷりと栄養を摂ることのできる料理がぎっしりと並んでいます。また、家庭で食べるようなほっこりとしたあたたかさも感じられます。
「どんなメニューにも最低小鉢を2つ、というのが昔からのこだわりなんです。もちろん手間はかかるのですが、栄養をちゃんととることができるし、いろいろな味を楽しめますよね。」
『食』という字は人を良くすると書く。食べ物が身体を作るものだから、身体へのやさしさを一番に考えたいという森口さん。身体に良い食材と、気持ちの良い接客で、心地良いひとときを提供したいというのは、創業時からの大きなテーマだそうです。
また、店内に入るとスタッフのみなさんがどなたも笑顔いっぱいにあいさつをしてくれて、心地の良い雰囲気につつまれます。
「接客って、直接お客さまと接して、喜んでいただくことができる特別な仕事です。私自身も本当に楽しかったから、その気持ちをそのまま大切にしているんです。」
こうした雰囲気やメニューづくりは、とろろやのほか『café SOCO』や『とんかつ八兵衛』にも共通しています。テイストは違うものの、知らずに入店してフードフォレストさんが手掛けているということを知ると、なるほど!と納得する方もきっと多いはず。
一方で、こうしたイメージの異なる店舗の展開をはじめたのは、どんな理由があったのでしょう?
「一つの会社の中で、いろいろ仕事ができる場所でありたいと思っているんです。スタッフそれぞれが希望することを幅広く受け入れられるように。とろろやの雰囲気が好きで入ってくれたけど、実は洋食やカフェをやりたいって思うスタッフもいるから。」
実際、このメイワン店の向かいにある『スノーウィカフェ』というお店は、そうした声からフードフォレストさんが以前開店したお店だそうです。現在は元々スタッフだった方に経営を譲渡しましたが、こうした経緯で手がけたそう。
「最近では『チェーン店』なんて呼んでいただくことも増えてきました。ただ、多店舗になっていくと、マニュアル化をする部分も出てきますし、どうしても均一化していくことにもなります。どの店舗でも、同じようにお客さまが喜んでもらえるサービスを提供するのはもちろん大切なのですが、多様性がなくなってしまうことに葛藤もありました。」
その葛藤の理由は、働くスタッフにとって、働く環境の幅が少なくなってしまうからという森口さん。
そんな中で、2年前にOPENした「Café SOCO」は、倉庫をまるごとリノベーションしたおしゃれなカフェで、アンティーク家具や無骨な鉄のあしらいなどが特徴です。Instagramなどでも大きな話題となり、今も人気店となっています。
「Café SOCOは、今の若い世代の感覚をもったお店だと思います。でも、身体にやさしい料理や、お客さまに喜んでもらえる接客サービスを提供するということは全く同じ。お客さまにとっても、働くスタッフにとっても、幅が広がったのかなと思います。」
そんなお話を聞くほどに、フードフォレストさんが広げてきた事業のことが自然に感じられます。きっと同じモデルを数多く展開していくことは、合理的な経営にもつながると思います。一方、多様な環境を作っていきたいという森口さんの考えは、スタッフのみなさんのことを心から考えているから、自然に生まれるのだと思います。
そんなフードフォレストさんで働くみなさんにお話を聞いてみました。
最初にお話を伺ったのは、正社員として2年前に入社した佐藤さんです。高卒で入社したという佐藤さんは、ホールスタッフとして日々お客さまをおもてなししています。
とろろやで働くようになったきっかけは、進路相談の中で、高校の先生からおすすめがあったことだそうです。
「実は、それまでとろろやに来たことがなかったんです。どんなお店か見てみようと思って一度家族で食事に行ってみたのですが、その時に他のお店とは違うなっていうふうに感じました。」
店内に入ると、厨房からも「いらっしゃいませ!」の大きな声が聞こえてきたり、接客も心地が良かったりして、あったかいお店だな〜と感じたそう。料理もとてもおいしくて、先生の話どおりのお店だったという佐藤さんは、その後、面接を受けました。
「面接の時には社長がいろいろ想いをお話してくれて、こういう社長さんのもとで働けるんだなってすごくイメージができました。今でも、お店に来るといつも気さくに声をかけてくれて、すごく嬉しいです。」
そんなふうに入社した佐藤さんは、学生時代にアルバイトの経験もなく、働くこと自体が初めてだったそうです。実際に、働いてみてどうでしたか?
「お店に入ってからは覚えることばかりで必死でしたよ。でも、社内でいろいろな研修をやってくれるので、こういうことを目指していけばいいんだってヒントをもらえます。また、私の場合は先輩を見ていてこれいいな~と思うことを取り入れていることも多いです。」
例えば、お箸が落ちた音がしたら、お呼び出しのベルが鳴る前に代わりのお箸をお客様のもとへすぐに届ける。お客さまから「なんで分かったの?」なんて言われることもあって嬉しく感じる。
そんな佐藤さんも、入社した頃に失敗をしてしまった思い出があるそうです。
「私の不手際でお客さまに大変ご迷惑をおかけしてしまうことがあり、その時心から謝ったつもりだったのですが、『申し訳ないと思っている顔ではない』と言われてしまったことがあって。」
心では思っていても、すべてが相手には伝わることばかりではないと知った出来事だったそう。
「その時、社長が『鏡を見て練習してみるといいよ』とアドバイスをしてくれたんです。鏡を見てみると、たしかに気づくことがたくさんあって、それからはすごく練習をしました。」
こうした経験も通して、今では入ってくるアルバイトさんたちを育てる立場にもなっている佐藤さん。
「お客さまが過ごしやすいように、ということをとにかく大切にしています。例えば食後に御膳をお下げするのも、早く席を空けてほしいからではなくて、ゆったりと過ごしてほしいから。だから、必ず『このあともごゆっくりお過ごしくださいね』と声を掛けながらお下げするようにしています。」
「してもらえたら嬉しいな、と思うことをみんなが率先してできているのがすごいことだと思うんです。新しく入る子たちにも、私がちゃんと伝えていけるようにしたいですね。」
2年前までは、接客も、働くことも初めてだった佐藤さんですが、今では後輩を育てながらはつらつと働かれています。
続いてお話を聞いたのは、そんな佐藤さんの先輩社員・八木さんです。入社してからの佐藤さんの成長を身近で感じてきました。
「佐藤さんはすごくしっかり者なんですよ、特に厨房でできた料理を揃えて、手際よくホールに出していくポジションは抜群です。注⽂通りのものができているかをチェックしながら、スムーズにホールにつなぐ大事な部分なんです。私は、そこはあんまり得意ではなくて(笑)。」
そう笑顔いっぱいで話してくれる八木さん、前職はイタリアンレストランでパティシエをしていたそうです。
「学生時代にアルバイトで接客業をしていたのですが、直接お客さまに喜んでもらえることにすごくやりがいがあったんです。進路を考える中で、そういうことを一番感じられるのは、ブライダル関係かなと思ってパティシエを目指しました。」
そんな志を持って調理師の専門学校に進み、ウェディングケーキなども手がけるレストランに就職。しかし、人間関係などでうまくいかないことも続き、転職を考えるようになったそうです。
こうして入社した八木さんは、現在ホールの責任者としてメイワン店の要を担っています。パート、アルバイトさんなど約20名などを取りまとめる立場として、どんなことを大切にしていますか?
「イヤイヤ働くのって、すごくストレスがかかるじゃないですか。だから、そんな気持ちになってしまわないように、少しでもイヤなことがあったら相談して!っていつも言っています。」
様子を見ていて、なにかあったかな?と少しでも気づくことがあれば、すぐに聞くようにしているそうです。
「作業のことでも、言われてみればやりにくいよなーっていうことはたくさんあって、小さなことでも改善できるようにといつも思っています。お客さまに喜んでもらえて、スタッフが笑顔で働けて、会社に利益が生まれたら、それだけで本当に最高!ですよね。」
自分自身が前職でうまくいかなかった経験もあるから、同じ思いをさせないようにしていることもあるのだと思います。みんなが楽しく働けていると感じる時が、自分にとっての嬉しい瞬間だそう。
八木さんにとって、とろろやさんらしさってどんなところだと思いますか?
「身体にやさしいメニューや、心をこめた接客がスタッフみんなに浸透していて、心地の良さを感じられる場所。だから、常連さんが本当に多いんですよ。アルバイトの子たちも、たくさんの常連さんと接することができるお店ってなかなかないと思うんです。」
あたたかな空気が伝わるから、何度も来たいと思うのだろうし、きっと同じ雰囲気をもったお客さまが集まるのだと思う。
八木さんは、これから先どんな仕事がしていきたいですか?
「前職の経験もあるし、以前は友人とカフェを開きたいね〜なんて話もしていたこともあって。だから、Café SOCOで働いてみたいという気持ちはあります。今すぐにというわけではなくて、いろいろな経験を積んで、カフェの運営や管理も任せてもらえるようになれるといいな。」
パティシエでもある八木さんは、ここでもスイーツなどのレシピ考案に少しずつ関わっているそうです。
経験豊富で責任感も強い八木さん。そんな方が活躍できるいろいろな場があるのは、本当に大切なことなんだと思います。
もう一人、最後にお話を聞いたのは、現在三方原店の副店長を務める、調理士の内山さんです。
入社してから約10年という内山さんは、前職は剣道道具の販売店で働いていたそうです。ご自身も学生時代から剣道を続けてきたことから販売の仕事に携わっていましたが、他の分野に働く場を移しました。
「入社した当初は、販売の経験を活かしたいと思っていたんですよ。ただ、厨房のスタッフが不足している事情もあって、調理士として経験を積ませてもらうようになりました。」
次々と入る注文に、真剣な眼差しで料理を仕上げていく姿は、まさに職人。焼き加減などを丁寧に確認しながら、ひとつひとつ仕上げていきます。
元々、調理の経験はあったんですか?
「全然なかったですよ、ホールの希望で入ったくらいですから(笑)。でも、修行が何年もかかるような難しい料理ではないですから、だれでもしっかり覚えれば、ちゃんとできるようになります。『外で食べる家庭のご飯』っていうのが、とろろやの料理のコンセプトです。」
また、時おり大きな鉢の中で混ぜているのは、お店の看板でもある『とろろ』です。内山さんがかき混ぜるたびに、おいしそうな香りがあたりいっぱいに広がります。
「こうして15分おきに必ず誰かが混ぜているんです。冷凍ものを使わず、新鮮だからこそこんなにおいしいとろろになるんですよ。どの店舗でも必ずしている、とろろやのこだわりです。」
そんな内山さんは、今でも大切にしている森口社長からのアドバイスがあるそう。
「入社した最初の時に、『おいしくなあれ、おいしくなあれって作るとホントにおいしくなるんだよ』って教えてもらって。その気持ちはすごく大切にしていて、アルバイトで入ってくる子達にもいつも伝えていることです。」
また、もうひとり内山さんにとって大きな存在だと教えてくれたのが、料理長の西田さんのこと。今は社内の本部統括料理長を担われている方だそうです。
西田料理長と内山さんが初めて一緒に働いたのは、名古屋の大型商業施設にOPENしたラシック店の時だったそうです。
「オープニングスタッフとして調理を任されたのですが、その時は自分が不甲斐なくてお店の力になかなかなれず、料理長にも迷惑をかけてしまっていました。」
内山さんのお話では、逃げ帰るようにして浜松に戻ってきたそう。自分は接客スタッフを希望してきたのに調理担当。これではうまくいくはずがない、そんな風に思ってしまった時期もあったそう。
「でもそのあと、今から5年くらい前かな。名古屋から浜松本店に西田料理長が移った時に、また本店で一緒にやろうと料理長から声をかけてくれて。ラシック店で自分が至らないこともたくさんあったはずなのに、そんな言葉をかけてくれて本当に嬉しく思いました。」
当時を振り返りながらお話してくれる内山さんからは、仕事に対する熱い気持ちもすごく伝わってきます。内山さんと一緒に働く中で、西田料理長が感じていたことも、きっとたくさんあるのだと思います。
「何を評価してくれたのかはわからないですけど。今は西田料理長とは別の店舗で働いているのですが、実は、今年の秋に東京への出店が決まっていて、またそこで一緒にやれるんです。」
今年計画している、東京への『とろろや』初出店。その大切な仕事を西田料理長とともに担うことができるのが、今から本当に楽しみなのだそうです。
「新規店のオープニングスタッフってほんとに大変なんですけどね。新しい人たちと、一からお店を作っていくことだから。でも、思い入れも人一倍持てるし、学べることもたくさんあります。」
「この『とろろや』というお店のことを知らない土地に行って、広めていく。こんなに充実したことはないです。おいしくなあれ、おいしくなあれって作ったとろろやの味を、新しいお客さまにも届けていきたいですね。」
いろいろな経験を持って、いろいろな夢を持つ方々が働いているフードフォレストさん。多様な働き場づくりをする風土があるからこそ、そんなみなさんがきっと自然に集まってくるのだと思います。
「こんなにいい人たちがスタッフによく集まってくれたな〜ってあらためて感じているんです。みんながいてくれたから、叶えられたこともたくさんあります。自分ひとりじゃとてもできないことばかり。仕事って、みんなで一緒に会社を作っていくことだから。」
これまでを振り返りながら、森口さんはあらためてそう話します。
「飲食店にこだわっているわけではないんです。物販をしたいというスタッフもいますし。飲食業で培ったものはたくさんあるから、それを活かしてこれからもいろいろなことに取り組んでいきたいと思っています。みんなの希望や夢を、少しでも叶えてあげられる会社になっていけるといいですね。」
心を配るあたたかいスタッフがいて、そんな雰囲気の好きなお客さまがたくさん集まる。栄養いっぱいのやさしい料理を食べて、心も身体も豊かになる。ここで触れ合うみなさんに浸透した、フードフォレストさんという会社の文化なのだと思います。
そんなみなさんとともに働いていきたいと思った方は、ぜひ問い合わせてみてください。笑顔いっぱいの、あたたかなおもてなしを感じていただけると思います。
■株式会社フードフォレストのホームページはこちら
「フードフォレスト」→ https://www.food-forest358.com