しらす

2014.05.21
【第2話】

収穫まで

女性たちのチームワークが光る、しらすの競り。

4月下旬、遠州一の漁港・舞阪港では、しらす漁がピークを迎えていました。港では、海からのうららかな風に吹かれて、しらす漁の船が帰ってくるのを、漁師の奥さんたちがゆったりと待っています。

船が戻ってくると、女性たちの動きがたちまち機敏に。船着き場まで台車を持っていくと、しらすの水揚げを手伝います。青いカゴには30〜40キロの、獲れたばかりのしらすがぎっしり。それを台車にのせ、数メートル先の競り場へ運ぶと、すぐさま台車から降ろして並べていきます。競り場の地面にはレールが敷かれていて、右から左へとすいーっとカゴを押して滑らせます。その様子はちょっとしたチームスポーツのようで、見ていて楽しげ。この時期の舞阪港の、いつもの風景です。

港について10分、加工場へと。

しらすが並ぶと、仲買さんたちが品定め。大きさ、色、しらす以外の生き物の混ざり具合など、カゴに手を入れて確かめます。時々、「これは大きいな。」などとつぶやきながら、値段を決めていきます。

競りを仕切るのは、「札読み」と呼ばれる漁協の担当者。声を張り、仲買さんたちの入札を促します。それに応えるように、仲買さんたちも値段を書いた小さな札を札読みに渡していきます。まわりから値段が見えないよう、すっと渡す様は手慣れています。

競りが始まって数分、しらすを落札した仲買さんはトラックをまわし、カゴを積み込みます。港について約10分、あっという間にしらすは加工場へと運ばれていったのでした。この早さが、新鮮さの秘訣ですね。

湯気が立ちこめる、釜の中へ。

仲買さんについてしらす加工場へ。港からは車で数分の距離です。トラックからカゴを降ろすと、釜茹で用の機械にしらすを次々と入れていきます。ベルトで運ばれ、水洗いをされ、きれいになったしらすは煮立つお湯の中へ。熱湯で約1分半、茹であがったしらすがふたたび現れます。ふっくらと、やわらかそうな茹でたてのしらす。このまま白いご飯と一緒に食べたい思いにかられます。

茹であがったしらすは、そのまま乾燥機に入り、しらす干しとなります。出来たてのしらす干しは乾燥後とはいえ、ふっくら感は健在。しらすのうまみと、ほんのりとした塩気は、おやつにもぴったりです。

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