遠州ブランドスピリッツ

STORY

暮らしをいろどる、日本の建具

2016.04.04
■レポート/大野建具有限会社 

建具というと、純和風の絵柄が入ったふすまや、真っ白な障子を思い浮かべるが、大野建具では、現代の暮らしに合った「建具のたのしみ方」を提案している。季節や年月とともに建具を変えると、住まいにいろどりが添えられる。大野建具で、障子の貼り替えや建具の交換をされたお宅を訪ねてみた。

【第1話】

光と色で、障子をあそぶ

白だけではない、障子のたのしみ

最初に訪ねたのは、2015年11月に、大野建具さんに障子の貼り替えを依頼したお宅。奥さまに、大野建具さんへの依頼の「きっかけ」をうかがいました。

「新築して10年ほどで、障子紙も傷んできたので、そろそろ貼り替えたい、と考えていました。そんな時、新聞で大野建具さんの展示の記事を読み、夫婦で訪ねてみたのです。」

そこで目にした大野建具オリジナルの「カラー障子」の美しさに、奥さまがひとめぼれ。大野建具さんでの貼り替えを決めたそうです。
貼り替えをしたのは、ご主人のお部屋。日当たりの良い南東角にある和室で、リビングに接している2面が障子戸です。色味の異なる3種類の緑の色和紙を組み合わせ、戸の上のほうにだけ、あしらいました。

「カラー障子が入って、部屋がさらに明るくなりました。緑のグラデーションを中心にしてもらったので、適度に落ち着きもあって、飽きがこないですね。」と奥さま。

色やデザインは、どのように決めるのでしょうか?
「当店では、まずはじめに、お宅にうかがってお部屋の雰囲気を見たり、お客さまの好みをお伺いしたりします。その上で、デザイン案のスケッチを何パターンかお作りして、ご提案しています。どれか一つを、そのままお作りすることもありますし、お客さまとご相談して、さらにアレンジを加えることもあります。」と大野さん。

こうした、貼り替えまでの過程も、たのしんでもらいたいのだそうです。

時間と光の「移ろい」を感じる

ご主人にも、カラー障子の感想をうかがいました。

「ほとんど妻が決めたので、私は何も口出しはしませんでした(笑)。でも、こうして実際に色が少し入っていると、いいものだな、と思いますね。」と満足そうです。

特にご主人が気に入っているのは、夜。和室のほうだけ明かりをつけて、リビングから見ると、部屋全体が大きな行燈(あんどん)のようで、昼間とはまたちがった雰囲気がたのしめるそうです。訪れたのは昼間でしたが、リビングのカーテンを閉めて、見せてくださいました。
時間や季節の経過とともに、光や色の移ろいを感じられるのが、カラー障子の魅力です。

家族や家とともに年月をかさね、変化する

また、白い部分は一見、普通の障子紙に見えますが、実は、下半分は、やぶれにくいように強化された「ワーロンシート」という素材なのだそう。ご近所の小さなお子さんが遊びに来ることもあるので、とても助かっているそうです。

年月とともに、家族の構成や暮らし方も変わってくるもの。見た目や機能性もふくめ、何度でも貼り替えができるのが、障子のいいところです。その時の気分や暮らし方に合わせて、あまり気負わずに、貼り替えを楽しんでもらいたい、というのが大野さんの想いです。

つづく

■PROFILE

大野建具有限会社

2代目の父と3代目の息子の二人三脚で営む建具店。【グッドデザインしずおか2014 文化賞】を受賞した「夏戸」は、風通しの良さはもちろん、繊細なデザインが見た目にも涼しげです。遠州地域とその近隣地域で、障子やふすまの修理・張り替えを出張サービスで行っています。

■ホームページ:http://oonotategu.hp.gogo.jp/

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