TOWTOWMI SELECTION

STORY

「繊維」で地域をつなぐ

2014.04.24
■インタビュー/ぬくもり工房 大高 旭
【第4話】

「織物のまち」のルーツにかける想い

織姫さまに、まもられている

Tぬくもり工房のロゴマークにもなっている鳥居ですが、これはどういう意味があるのですか?
大高浜松市北部の三ヶ日に、初生衣(うぶぎぬ)神社という神社があるのですが、そこの鳥居をマークに使っています。そこは織姫さまがまつられている神社で、そのような伝説がある神社はいくつか日本にもあるのですが、何が圧倒的に違うかというと、宮司が神服部(かんはとり)さんといって、神様から授かった名前なのです。「服部」という名字は、機織り(はたおり)に関連する名字なのですが、その服部家のすべての頂点にいるのが、神服部さんなんです。
Tあまり知られていないですね。
大高そうです。そんなにすごい歴史をもつ神社が、浜松の三ヶ日にあるのです。繊維が発祥したルーツも、絶対にそこにあると僕は思っていて、僕の中で、初生衣神社の存在は、一つの核になっています。ですから、その重要性を伝え続けていこうと思っています。

知られざる文化財を、後世に伝える

大高もう一つ、高林家というのがあって、このあたりの昔の大豪商というんでしょうか。浜松市の有玉神社の横にあるんですけど、その敷地は木に囲まれていて、通ってもなかなかわからないくらいです。1ヶ所だけ森が開けているところに、有形文化財にもなっている美しい門がバッと見えます。
Tそうなんですね。
大高普段は、一般公開はされていないのですが、僕は3回ほど入ったことがあって、入ると建物がたくさんあり、そのなかの一つに民芸館というものがあります。それは、民芸運動の創始者・柳宗悦に高林さんが共感して、日本で初めての民芸館というのを浜松につくられたんです。要は、美術館とか博物館などがない時代に、日本で初めて、そういうものが建てられたのです。
Tそうなんですか!あんなところに・・・。
大高ええ。そこを何とか僕は、みんなに見てほしいとか、後世に伝えていきたいと思っています。
T自分の使命ということですね。
大高使命というか、夢であり目標であります。考えるだけでワクワクするんです。例えばですが、その建物(敷地)を当社が管理運営する。そこに織物の製造工程を集約して製造工場をつくる。織物工場の見学もできてショップやカフェもある。そんな複合的な場所が必要だし、なにより訪れる人も迎える側も楽しいと思います!
Tそれは実現したらすごいですね。
大高そうです。そこと、初生衣神社をしっかりつなげていきたいのです。そうすれば、繊維の街としてのブランディングもできる。「産業を残す」という事はいろんな視点から、その価値を伝えられる手段をいくつ持っているかが重要だと思うのです。
T確かに。
大高それをやはり、ちゃんと絵に描かないと何もならないと思うんです。まずはそういうデザインを描いていて、それで、いろいろな人たちの協力を得られればと思っています。それが形になっていけば、繊維に関わっている人たちの意識も、もっと違ってくるんじゃないかと思います。

つづく





■PROFILE

ぬくもり工房

遠州地域の伝統織物「遠州綿紬(めんつむぎ)」のお店・ぬくもり工房。2013年11月に浜松市浜北区のきらりタウンに直営店をオープン。綿紬の生地や雑貨のほか、地元作家のアイテムなども取り扱っています。商品はオンラインショップでも購入可能です。

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