TOWTOWMI SELECTION

STORY

「繊維」で地域をつなぐ

2014.04.21
■インタビュー/ぬくもり工房 大高 旭
【第3話】

衰退する地域産業を、なんとかしたい

マイナスからのスタート

T実際にぬくもり工房を始めてみて、想像していたのと違ったということはありますか?大高もっと簡単に、うまくいくと思っていましたね。(笑)T想像以上に大変だったと。大高イメージよりいい部分も当然ありますが、苦しい時間が結構長かったのも事実です。創業して8年目ですが、やっと形になってきたのは、ここ2年じゃないでしょうか。Tそうですか。大高たとえば、普通は「仕入れ」というのは、必要な分しか仕入れないじゃないですか。でもうちは、ある程度の量を仕入れないと、機屋(はたや)さんがつぶれてしまう可能性があるので、無理してでも仕入れます。Tああ、そうなんですね・・・!大高そうです。言ってしまえば、必要ないものまで仕入れなきゃいけない状況がスタートラインでした。「何だ、この状況は!」と思いましたが、今は売り上げが伴ってきて、その量はもうカバーできるようになりましたが。

普通で考えたら、「買ってあげてる立場なのに、なぜ文句を言われなければならないのか?」と思う時期もあって、難しいなと思っていました。けれども、なくなってしまったらうちも困るし、というような・・・。T今、機屋さんは何軒ぐらいあるんですか?大高うちが取引をしているところは2軒です。職人さんは一番若くて、55歳くらいでしょうか。T当然、後継者問題というのも出てきますよね。大高少しずつ、今は機屋さんも考えていてくれるみたいです。今まではそれこそ、まだまだ後継者を雇えるような状況ではなかったけれども、ここにきてやっと、「後継者をそろそろ考えなきゃ」という状況になってきたのは、少しはよくなってきたかなというところです。ただ、繊維を取り巻く状況というのは、まだまだ厳しいです。??

糸を染める工場や、生地を織ったあとに、その生地を洗う「整理加工」をする会社も一軒ずつしかありません。そこがなくなってしまうと当然、産地は衰退していくし、うちの会社にとっても痛手になるので、何とかそこをカバーしていきたいとは思っています。

がんばっていれば、必ずチャンスはある

大高できれば、浜松で染めて浜松で織りたいのです。染めは外に出すことができますが、市内に収まっているほうが、当然コストも安定するし、産業としても価値が残るというのがあるので、そこを何とかしたいなと思っています。T確かにそうですね。大高このタイミングで、なぜ繊維の世界に入ったのかと、よく言われます。逆に僕は、減っていけばいくほど、今、がんばっていれば、チャンスがあると思っています。もう少し経営面でも安定してくれば、後継者問題とか染色とか、いろんな問題に自分が取り組めていけるかな、という気がしています。T繊維産業の裾野(すその)まで、ということですね。大高そうですね。多分、手はあるはずなんです。ただ、まだ自分がそこまで関わっている時間もなければ、業界も分かっていないので。「まったくもうお手上げ」というのは、あきらめなければ多分ないと思います。

つづく

■PROFILE

ぬくもり工房

遠州地域の伝統織物「遠州綿紬(めんつむぎ)」のお店・ぬくもり工房。2013年11月に浜松市浜北区のきらりタウンに直営店をオープン。綿紬の生地や雑貨のほか、地元作家のアイテムなども取り扱っています。商品はオンラインショップでも購入可能です。

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