遠州ブランドスピリッツ

STORY

「緑」と「農」でゆたかに暮らす

2017.07.31
【第2話】

「農的な暮らし」の先にあるもの

共有物の緑が、町をうるおす

 

 

菜園付き分譲地・「ハーベスト豊沢」の大きな特徴は、分譲地ながらも、地域全体のイメージがしっかりと描かれていること。

 

「今回、ナインスケッチの田中さんのほかに、建築設計の専門家も計画に関わってもらっています。地元の工務店なら住宅の施工を請け負うことができますが、自然素材を使った住宅を建てることや、通風や視界などが快適に保てるように、家の向きをそれぞれずらすことなど、全体のプランを取り決めてあります。」とグラウンド・ワークス代表の山下さん。

 

 

全棟が建てそろったあとも、緑豊かな住環境と、統一感のある美しい町並みをたもつために、あえて制約をもうけているそうです。

 

また、すでにたくさんの緑が植えられているのにも、理由があります。

 

当初は、各戸の契約が決まってから、ナインスケッチさんがそれぞれの敷地に雑木の庭をつくる、という案もあったそう。ただ、それでは緑のある暮らしのイメージや、「共有物」としての緑の良さを理解しずらいのでは、という結論に達しました。そこで、共有スペースを確保し、初めから木を植えておくことにしたそうです。

 

ある家にとっては目隠しとして機能している緑が、別の家にとっては窓辺からの美しい風景になる。みんなの共有物として緑が存在することで、コミュニティ全体がうるおうのだと、田中さんは言います。

 

 

 

 

暮らしながら、遊び、学べる場に

 

 

ここに住む人たちの暮らしについて、田中さんも山下さんも、多くの想像力を働かせてきました。

 

「知らない人たち同士が集まる分譲地で、菜園や誰もが自由に入れる雑木林、ウッドデッキがあることで、おのずと人々の交流が生まれます。また、子供たちにとっては、学校では教えてくれない、命や自然のしくみを学ぶ場にもなります。」と田中さん。

 

 

いっぽうで、菜園に関しては経験のない人たちのために、自然農法や無農薬栽培を実践している農業のプロがアドバイザーとして入り、手助けをしてくれるとのこと。 また菜園スペースも各戸で区切るなど、それぞれのペースで好きなものを育てられるように工夫したそうです。 

 

  

こうした、さまざまな配慮からは、本当に豊かな暮らしをより多くの人に知り、体験してほしいという、田中さんたちの想いが伝わっってきます。

 

子供たちがのびのびと外で遊んだり、ご近所同士で収穫物を交換したり、そんなコミュニティの姿が目に浮かびます。

 

 

 

 

すべては、「豊かな暮らし」を伝えるために

 

 

従来からの雑木の庭づくりや、今回の分譲地プロジェクトと並行して、これまでに2度開催した「大地の再生講座」にも、ひきつづき力を入れていくというナインスケッチさん。

 

「大地の中の水や空気の流れを健全にたもつことは、私たちの暮らしのすべての基本です。水や空気がしっかりと循環することで、木々が健康に育ち、作物も豊かに実るのです。」と田中さん。

 

 

今後は、全国の仲間たちと新たにつくった組織での活動を通して、想いや考えに共感する仲間を増やしていきたいとのこと。また、田中さん自身も「水脈改善」についてより深く学び、経験を重ねていきたいそうです。

 

「今は何でもお金を出せば手に入れられる、便利な時代です。でも、物質的・経済的なものだけで、人は満たされないのではないでしょうか。

 

本当の豊かさとは、土に触れたり、自分で育てたものを口にしたり、自然に寄り添う農的な暮らし方にあるのではないか、と考えています。今後もさまざまな切り口で、ナインスケッチの考える『豊かな暮らし』を伝えていきたいと思っています。」

 

 

 

 

2017年7月

■PROFILE

株式会社ナインスケッチ

2013年の創業以来、「雑木の庭」をはじめとした造園から外構まで、建物の外回り全般を手がけています。2016年に2度開催した「大地の再生講座」などを通して、大地の中の水や空気の流れを整え、自然環境を健康にたもつための活動にも力を入れています。

■ホームページ:http://www.9sketch.com/

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