遠州ブランドスピリッツ

STORY

庭からはじまる、心地よい暮らし

2014.10.16
■インタビュー/株式会社 ナインスケッチ 代表取締役 田中 俊光
【第2話】

自然の植生が、教えてくれること

手で描くことが、庭づくりの思考を深める

T庭づくりのプランは、実際どうやって考えているのですか?
田中庭のプランは、すべて手描きのスケッチで作成しています。
T手描きというと、大変ではないですか?
田中そうですね。実は、絵はどちらかというと苦手なのです(笑)。

ただ、うまい下手の問題ではなくて、そのプロセスがすごく大切だと思っていて。自然の樹々や石、土を扱うのに、パソコンで描いてしまうと、毎回同じ線しか描けなくなるような気がしますし、仕上がりの細部までを自分でイメージする、ということが、おろそかになってしまいます。
Tなるほど。
田中やはり、手を動かすことで、自分の中でどんな庭にするかという、思考が深まっていくのだと思います。

実物の雑木林が、最良のお手本

田中その他には、八ヶ岳などに行って、実際に自然の中の植生を見て参考にしています。八ヶ岳は標高が高いので、当社が手がけているコナラ主体の雑木林とは異なり、ミズナラが主体なのですが、その下には、どのような木が生えているのかなどを見ます。もみじやカエデは本来、高木の下に生えている木ということを実感できます。神社やお寺でも、きれいなもみじは、必ず高木の下にあるのです。
Tそう言われれば、確かに。
田中そういった、なるべく自然に近い状態の環境を、住まいの庭でもつくりたいのです。もちろん、人間が「こうやりたい」と思っても、樹々はその通りに育ってくれません。

たとえば、植えたい木の種類、現状の枝ぶりだけをみて木を選び、植えるのではなく、まず、その周りに高木を植えるなどして、その木にとって心地よい環境をつくってあげる。土壌改良もそのひとつです。

木にとって心地よい環境をつくることで、人に返ってくる

田中日々の暮らしの中で、緑の力を借りて気持ちよく過ごしたいと思うのであれば、まずは樹木にとっても快適な環境をつくってあげることが一番です。例えば、家のシンボルになるシンボルツリーが1本だけ植わっているというケースがありますが、実は、樹木にとっては過酷な環境なのです。
Tそういうものなのですね・・・。
田中木というのは、幹肌や根元に、直接太陽光が当たると、温まって、乾燥して、栄養が行き渡らなくなり、枯れてしまいます。
 
山を見ても、木は1本では生息していなくて、他の周りの樹々と一緒になって生きている。そういう環境を庭でもつくってあげれば、それが、いずれ、わたしたちの生活に心地よい空間として返ってくるのだと思います。

つづく





■PROFILE

株式会社 ナインスケッチ

2013年の創業以来、造園から外構など建物の外回り全般を手がけています。庭づくりのメインコンセプトである「雑木の庭」は、樹々の持つ力を生かし、住環境を建物の外から改善するというもの。2014年に出展した、浜名湖花博・庭園コンテストでは、浜松市長賞を受賞し、注目を集めています。

■ホームページ:http://www.9sketch.com/

go to pagetop