遠州ブランドスピリッツ

STORY

庭からはじまる、心地よい暮らし

2014.10.09
■インタビュー/株式会社 ナインスケッチ 代表取締役 田中 俊光

さまざまな樹木と自然素材をふんだんに使った「雑木の庭」をはじめ、住宅などの外構を手がける【ナインスケッチ】。代表を務める田中氏の手描きのスケッチから生み出される個性豊かな庭たちは、見た目の美しさだけでなく、心地よさに満たされている。「雑木の庭」との出会いと、庭づくりへの想いを田中氏に訊いた。

【第1話】

「心地よさ」は、自然とともにある

鑑賞物ではなく、住環境を快適にする庭を

T会社を設立して今年で2年目ということですが、ナインスケッチさんの仕事について、教えていただけますか?
田中住宅や店舗の外構・造園・造成を含めて、建築以外の外回りのプランニング・施工を全般的にやっています。外構は、エクステリアメーカーの既製品を組み合わせるだけのプランニングではなく、なるべく素材から考えたオリジナルのものを提案する、というコンセプトでやっています。造園に関しては、「雑木の庭」という切り口で、樹々の力を生かした、心地よい住環境を提案しています。
T「雑木の庭」とは、具体的には、どのような庭なのでしょうか?
田中従来の庭は、見た目の美しさを楽しむ「鑑賞物」として捉えることが多かったと思うのですが、「雑木の庭」は、木漏れ日やそよ風によって、五感を刺激したり、住環境、特に熱環境を改善したりするような庭です。

例えば、夏場などは、木陰でクールスポットをつくり、その涼しい空気を建物の中に取り込むといった、自然の力をうまく生かして、心地よい環境をつくることができる庭です。

いくつもの経験から、たどり着いた「答え」

T造園の仕事に就いたのは、どういった「きっかけ」だったのでしょうか?
田中元々、大学で「ヒートアイランド現象」について研究していて、緑の力がヒートアイランドを緩和するという研究結果を知ったことで、造園や外構の仕事を志すきっかけになりました。
Tそうだったのですね。
田中その頃は、環境問題に関わる仕事に就きたいという思いもありましたが、自分には、ものづくりのほうが向いていると感じ、大学卒業後は、大手住宅メーカーのグループ会社での、外構造園の部署に就職しました。その後、転職した先の会社では、外構造園を含めて住宅の提案や設計もやってきました。

そのような仕事に携わってきた中で、次第に「心地よい」とか「気持ちよい」と感じる部分の多くは、家の中より外にあるのではないか、と考えるようになりました。さらに、自然の中には、もっともっと、心地よい空間があふれているのではないか、と直感的に感じたのです。

直感から確信へ。「雑木の庭」との出会い

田中その後、独立する少し前から、いろいろと本を読んだり、調べたりして、「雑木の庭」という庭づくりのコンセプトと、その第一人者である、千葉県の高田造園設計事務所の高田宏臣さんのことを知りました。ちょうど、高田さんのところでオープンガーデンと講演会があり、それに参加しました。
Tそういった出会いだったのですね。
田中そうです。実際に高田さんのつくった「雑木の庭」を見て、「これだ!」と確信しました。そこから、住環境を改善するための植栽の方法を、もう一度勉強したり、高田さんを何度も訪問して、庭づくりを教わったりしました。

つづく





■PROFILE

株式会社 ナインスケッチ

2013年の創業以来、造園から外構など建物の外回り全般を手がけています。庭づくりのメインコンセプトである「雑木の庭」は、樹々の持つ力を生かし、住環境を建物の外から改善するというもの。2014年に出展した、浜名湖花博・庭園コンテストでは、浜松市長賞を受賞し、注目を集めています。

■ホームページ:http://www.9sketch.com/

go to pagetop