白柳ネーブル

2015.01.21
【第2話】

収穫まで

大玉でも味良し・香り良し、優等生のネーブル。

ネーブルの収穫は12月頃から始まります。遠州地域の北西に位置する細江町は、白柳ネーブルの産地。大玉の実をつける白柳ネーブルは皇室にも献上される銘品です。みかんは一般に大玉になると味が薄くなりますが、白柳ネーブルはサイズが大きくなっても、味が落ちないのが特徴。高値がつくので、農家にとっては、とっても優等生な品種なのです。

「葉150枚に対して実がひとつ。これが目安かな。」農家の加茂さんが教えてくれました。一枚一枚、かぞえる訳にはいきませんが、長年の経験から、実と葉のバランスがわかるのだそう。ネーブルの葉は実とは対照的に小さめで、緑が濃く、よく茂っています。大玉の実を、たくさんの葉で支えているのでしょう。

9種類の実をつける木。

このあたりの農家はネーブルだけでなく、温州みかんや「はるみ」、「不知火(しらぬひ=デコポン)」、「せとか」など、さまざまな柑橘類を同時に栽培しています。というのも、柑橘類は「高接ぎ」という手法で、新しい品種を手軽に試せるという特徴があるから。「高接ぎ」とは、元々の木の枝に別の品種の枝をつぐことで、その先にはついだ品種の実がなります。

まずは高接ぎをしてみて、良さそうな品種を見定め、あらためて苗木で植えるのだそう。お試し用の木には、1本の木に9種類もの実をつけているものも!接ぎ木をした本人も、何の品種か忘れてしまったものもあるそうです。木自身も、すこし戸惑っているかもしれませんね。

美味しく、美しいネーブルを作り続けるために。

以前は夏に収穫する「ハウスみかん」が多く栽培されていたそうですが、ここ数年はハウス栽培にかかる燃料代が高騰していることもあり、屋根掛け栽培をする農家が増えているそうです。屋根掛け栽培はハウス栽培の設備を利用し、太陽熱だけで行う栽培方法。

他にもネットを掛けて風よけにするなど、なるべく低コストで栽培できる方法を模索しています。ビニールや風よけのネットがあると、実が枝や葉にこすれないので、露地栽培のものより傷がつきにくく、雨にもあまりあたらないため、病気になりにくいそうです。

もちろん、ハウス栽培も健在。「ビニールを二重、三重にして燃料代を節約してる人たちもいるよ」と加茂さん。なるべくお金がかからないように、でもおいしく、見た目も美しいネーブルをつくりたい。農家の人たちの挑戦がつづきます。


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