TOWTOWMI SELECTION

STORY

ゆっくりと近づく、未来の郷土料理

2014.06.02
■インタビュー/イタリア料理 ラカーサ 加納 久寛
【第4話】

変わりはじめた、理想の料理

自分も、お客さんも楽しめる空間を

T料理をしながらの接客は、結構難しいところもありますよね?
加納そうですね。最初は接客が下手でしたから大変でした。
Tそんな風には見えませんが。
加納おしゃべりは好きでも、お皿を下げるタイミングとか、お客さんの誘導とかが不慣れで。でも、そこも、カウンターのお客さんのノリでカバーしてもらって、楽しく食事してもらえればいいと思いました。
Tイタリアのような感じですね。
加納実際にイタリアは、料理のおいしさだけではなくて、お客さんも楽しい。料理がおいしければ、もちろんワクワクしますけれども、それプラス、お店で食事をする楽しさはもっと他にもあると思うのです。このカウンター中心のレストランなら、そういう楽しさも味わってもらえる。ですから、また少し、自分自身の料理のスタイルも変わってきています。
Tどういう方向に変わっていますか?
加納もっと、自分らしいアレンジを加えよう、というようになりましたね。今までは、イタリアの郷土料理を追いかけていましたけれども、その郷土料理をベースに、「未来の料理」に向けてみようかなと思っています。自分の個性をもっと出したいから、イタリアでは食べていないような料理にも挑戦してみようと思っています。

過去の料理が、未来の料理

加納イタリアで、いろいろな人と話したときに、すごく心に残ったことばがあります。「過去の料理が、未来の料理」ということばで、今でも自分の座右の銘にしています。
T 逆説的なことばですね。
加納そうですね。どんなに新しい料理でも、必ず過去にあったものがベースになっているということです。時代や場所に合わせてアレンジしていきますが、どこかには軸になるものがあるのです。重要なのはそのバランスだと思います。
T変化する部分もありつつ、変わらないものもあるということですね。
加納はい。もちろん、オリジナルを前に出した料理というのは、果たしてこれをおいしいと思ってくれるのかなと、ドキドキします。特に、目の前のカウンターで食べている顔を見ていれば、すぐにわかりますので。

でも、それもカウンターの面白さですから。もしダメなら、もう少し別のやり方でアレンジしよう、という感じです。

つづく





■PROFILE

イタリア料理 ラカーサ

カウンター席中心のこじんまりとした店内は、お客さん同士の距離も自然と縮めてくれます。オーソドックスなイタリアの田舎料理から遠州の旬の素材を使ったオリジナルメニューまで、気取らないイタリア料理と、加納氏セレクトの個性豊かな国産&イタリアワインを楽しめます。


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