宿泊セレクション

STORY

「意志」から生まれた「遊び」の空間

2014.09.01
■インタビュー/葛城 北の丸 統括支配人 榛葉 勝行
【第5話】

世代を超えて、愛される宿をめざす

トンネルを抜けたら、見えるものすべてが「北の丸」ブランド

T統括支配人が考える「北の丸」とは、お客さまにとって、どのような宿であってほしいと思いますか?
榛葉北の丸というのは温泉があるわけでも、近くにテーマパークがあるわけでもありません。そうすると何が売りものかとなると、まず空間、そして食です。この空間の中で、お客さまの思い出に残るような食事を提供する。そして、やはりサービスも必要です。

今日こちらに来られるときに、トンネルを抜けて来られたと思いますが、あそこはプロローグといいますか、最初の取掛かりです。私の気持ちとしては、トンネルを抜けたら、見えるものすべてが北の丸の商品なのです。
Tなるほど。
榛葉売店等で売っているものも、もちろん商品ですし、空間や食、サービスも商品です。それら全てをバランスよくお客さまに提供することが、うちの本当のサービスだと思っています。どれか一つが欠けていても駄目で、やはり全部を常に提供できるように心がけています。

五感で感じ、自然から学ぶ

榛葉たとえば、私は毎日玄関の前を掃除しているのですが、お客さまが「いつ掃除しているのだろう?」と感じるくらいが理想です。常に葉が落ちていない、きれいな状態を見ていただきたい、そんな思いです。それに、朝などは、玄関の前を掃いているとお客さまが大体通りますので、そこでスタッフが話をしきれなかったことをお話しすると、喜んでいただけます。
Tそれも大切なサービスのひとつですね。
榛葉そうです。実際の接客はもう若手スタッフに任せていますから、自分は陰でみんなを支えながら、ちらりと出てお客さまに印象付けるというのをやりたいな、と。夏は暑くて大変ですけれども、でも楽しいものです。
T気持ち良さそうですね。
榛葉本当に、生きもののサイクルが分かってくるのです。枯れ葉を掃除していると、この時期にはこういう状態になってこうなると、こうすればきれいになるのかなと、それが分かってくるのです。
T「そろそろ、あの葉っぱが落ちてくるな」という具合に?
榛葉そうなのです。次はこれだなと分かるわけです。庭や建物は、一番はやはり人が入って、きれいにすることだと思います。従業員にもそれを分かってもらいたいものですから、いつも言っているのは「五感を大切にしなさい」ということです。

子の代、孫の代までつながる関係を

榛葉これは以前にいらっしゃったお客さまのお話ですが、北の丸に泊まってゴルフをされたことがある方で、たまたまその日、北の丸でのご婚礼の様子を見られたのです。それで「よし、自分の娘の結婚式は、北の丸でやらせたい」とおっしゃられて。東京の方でしたが、数年後、本当にここで結婚式をやってくれたのです。
T素敵なお話ですね。
榛葉やはり、次の世代に広がっていくというのは、とてもありがたいことです。そういったつながりができていって、子の代、孫の代になっても北の丸に来ていただけるようなっていただきたいのです。、我々もこの「北の丸」の歴史、食事、そして精一杯のサービスをして、お客さまをおもてなししていきたいと思っています。

2014年6月

■PROFILE

葛城 北の丸

元々は隣接するゴルフ場の宿泊施設として開業した、日本建築の宿。緑豊かな庭と、大胆でありながら繊細な建築空間は、あわただしい日常を忘れさせてくれます。家族や大切な人との記念日や、人生の節目にふさわしい、遠州の名宿です。


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