宿泊セレクション

STORY

遠州を発見し、感じる宿

2014.08.04
■インタビュー/星野リゾート 界遠州 料理長 永田 慎太郎
【第3話】

知られざる遠州のおいしさを発掘する

その土地に来て、はじめて出会える食材たち

T料理長である永田さんは、ご出身はどちらですか?
永田名古屋です。でも小さい頃から、何回か浜名湖周辺には来たことはありました。
Tそうなのですか。他県から見た浜名湖というと、どういうイメージなのですか?
永田もう完全に「うなぎ」のイメージですね。逆にそれしかないのではと思って来ました。
Tそんなに(笑)。
永田はい(笑)。でも、来てみたら意外にいろいろな食材があることに気づきました。フグなども、調べてみると下関よりも多く揚がっていて、大体60%ぐらいが遠州灘で揚がっているのです。その土地に住んでみないと、なかなか分からないものです。
T具体的にメニューはどのように考えられるのですか?
永田星野リゾートでは、本部にいる総料理長が基本のお料理を考えるのですが、僕たちのような旅館ごとの料理長が、その地域の素材を発掘します。うなぎ以外にも、いろいろありますよ、という話をしたりして。

おなじみの素材も、新しい切り口で

T料理を通して、お客さまにどういうことを感じていただきたいですか?
永田もともと、界の料理のコンセプトとして、「心に刺さる日本旅会席」というのがあります。ただ単においしいとか、見た目が美しいというだけではなく、お客さまの記憶に残るような創意工夫をして、さらにその土地の風情を満喫できるように心掛けて料理をしています。

うなぎのように、お馴染みの素材でも、新しい食べ方を体験していただけるように考えています。白焼きに薬味として奈良漬けを付けたり、バルサミコ酢を使う食べ方もあるので、ぜひそういった食べ方も試してもらいたいと思います。
Tちょっと斬新な食べ方ですね。
永田そうですね。でも、意外に合うものを発見したときは、僕にとっても楽しいですし、お客さまにとっても同じだと思います。表に出ていないものを発掘して、お客さまに提供するという喜びもあります。

生産者とのやりとりが、発見の宝庫

T普段、地元の生産者さんとのやりとりというのは、よくあるのですか?
永田そうですね。農家さんに「こういうものはないですか?」と聞きに行ったり、「こういうものを作ってください」とお願いすることはあります。例えば、デザートで出しているイチゴなどは、メインの業者さんはいるのですが、その業者さんから入らないときに、近くのイチゴ農家さんに「少しないですか?」とお願いをしたりすることがあります。
Tそうやって少しずつ関係を深めていくと。
永田はい。あとは朝、「こんなのが採れたんだけど使う?」といった感じの、売り込みもあったりして(笑)。ただ、メニューが決まっているので、すぐそれを使うというのは、なかなか難しいのですが。そういうときは、「来年からお願いします」とお伝えしています。
Tその辺りが難しいですね。
永田そうですね。ただ、そういったやり取りの中で、今まで知らなかった素材に出会うこともあるのです。そういうマイナーな食材をみんなに知ってもらって、メジャーに育てていくというのが、その土地の食材を使う面白さだと思います。

つづく





■PROFILE

星野リゾート 界遠州

浜名湖の温泉地・舘山寺の老舗旅館を改装し、星野リゾートの「界」旅館として、リブランド・オープン。滞在中、お茶を五感で楽しむためのさまざまな趣向が凝らされ、お茶の世界の新しい魅力を発見できます。浜名湖を見渡せるお部屋とお食事処で、ゆったりとくつろげる宿です。


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