宿泊セレクション

STORY

遠州を発見し、感じる宿

2014.07.28
■インタビュー/星野リゾート 界遠州 総支配人 岡本 真吾

2013年11月に、浜名湖・舘山寺に星野リゾートが手がける温泉旅館として誕生した【界遠州(かい えんしゅう)】。老舗旅館を改装して、お茶処・遠州ならではの宿として生まれ変わった。全室が浜名湖に面した開放感のある空間に、地域の伝統を取り入れたおもてなしには、若きスタッフたちの心意気がつまっていた。

【第1話】

煎茶にかけた老舗旅館の再生

実らせた四年越しの想い

T界遠州ができる前は、もともと老舗の旅館だったとのことですが?
岡本はい。もともと花乃井という旅館があり、星野リゾートが関わり始めたのが4年ほど前です。最初は、そのままの元の名前も残して「星野リゾート 花乃井」という形で運営を始めました。私が入社したのは、ちょうどその頃です。そして去年の11月に、「界遠州」としてリブランド・オープンしました。
Tそうだったのですね。「界遠州」として再スタートするときに、どんな宿にしようという想いがあったのでしょうか?
岡本実はそれ以前から、自分は「お茶をメインにした旅館」というコンセプトを持って運営していましたので、界遠州をつくる時にも、それをベースにしました。このラウンジスペースも、お茶を出すためだけに作ったような場所です。ですから、ここはもう完全に「お茶旅館」ですね。
Tかなり早い段階から、決めていらっしゃったのですね。

実体験から生まれた、ここだけのお茶の楽しみ方

Tお茶旅館らしさを表現するために、具体的にどのようなサービスをされていますか?
岡本「星野リゾート 花乃井」の頃から、ロビーでお客さまにお茶を選んでいただき、お部屋で飲んでいただくというサービスは行っていました。ただ、それだけではやはりインパクトが弱いですし、ストーリー性もありません。もっとお茶の良さを生かす方法はないかと悩んでいたときに、地元のお茶会社の方にアドバイスをいただきました。

そこから今やっている、「お茶三煎」というものが生まれたのです。一つの茶葉で温度や蒸らしの時間を変えるだけで味がまったく変わる、それを初めて自分も体験したときに、かなりの衝撃を受けました。
Tそんなに違うものですか。
岡本そうなのです。一般的なお茶のイメージは、普通に急須に茶葉を入れて、ポットから直接お湯を入れて飲むだけですよね。茶葉を蒸らす時間や温度を気にすることもなかったですし、「湯冷まし」というものも知りませんでした。60度ぐらいで入れたお茶と、70度や80度のお茶では全く味が違うことが分かったのです。驚いたと同時に「これはいける」と思いました。
T「絶対に面白い」という、確信を持ったのですね。
岡本そうです。そこから話はどんどん進んでいきました。

尽きない、お茶にまつわる新しい体験

岡本やはり一度動きだすと、お茶関係の業者さんやスタッフが、いろいろと考えてくれるようになって、気付けばオリジナルの茶葉もできました。
T「いつの間に?」という感じで(笑)。
岡本そうなのです(笑)。お風呂でも、お茶の葉を籐編みのカゴに入れた「お茶玉」を浮かべていますが、それもスタッフが考えて、実現しました。他にもいろいろなアイデアが出ていますから、まだまだ、お茶で新しいことができそうです。
T煎茶というのは、日常的に飲んでいても、意外と知らないことが多そうですね。
岡本はい。ですから、ほとんどのお客さまは、「こういう楽しみ方があるんだね。家でもやってみよう」という風に、新しい発見をして帰ってくださいます。煎茶なので、やろうと思えば誰でもできるわけですから、「ご家庭でもどうぞ試してください」というのが、我々のスタンスです。

つづく

■PROFILE

星野リゾート 界遠州

浜名湖の温泉地・舘山寺の老舗旅館を改装し、星野リゾートの「界」旅館として、リブランド・オープン。滞在中、お茶を五感で楽しむためのさまざまな趣向が凝らされ、お茶の世界の新しい魅力を発見できます。浜名湖を見渡せるお部屋とお食事処で、ゆったりとくつろげる宿です。


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