エシャレット

2014.06.04

さわやかな辛みとしゃきっとした歯ごたえが、くせになるエシャレット。新鮮なものは輝くほどに白く、「サンドパール(砂の真珠)」とも呼ばれるほど。今では東京や関西などの大都市圏をはじめ、全国的に出回っていますが、遠州地域はエシャレット発祥の地です。遠州の海の幸・もちがつおの付け合わせとしてもお馴染みです。

【第1話】

産地になるまで

本当はらっきょうです。

遠州地域ではスーパーでもよく見かけるお馴染みの野菜・エシャレット。名前はおしゃれで洋風ですが、実は品種としてはらっきょうと同じです。らっきょうは中国やヒマラヤ地域が原産のユリ科の植物。

日本には平安時代に中国から伝わり、最初は薬用として使われていたそうです。今のように野菜として食べられるようになったのは江戸時代に入ってからのことです。とても丈夫な野菜で、砂丘や開墾地など、痩せた土地でも栽培できるのが特徴。

「根らっきょう」改め「エシャレット」。

エシャレットは元々、漬け物用にらっきょうを栽培していた遠州地域で開発された商品です。倉庫に貯蔵されていたらっきょうから芽が出ているのを見つけ、生食用に栽培が始まりました。

こうして、白くて柔らかい早採りのらっきょうは、「根らっきょう」として1955年頃から市場で取引がはじまりました。ところが、これを見た東京築地の青果卸業者が、「これでは売れない」と、「エシャレット」という名前を考案。こうして根らっきょうは純国産でありながら、どこか西洋の香り漂う名前の野菜「エシャレット」として、日本中に広まっていきました。

本場フランス産現る。

エシャレットがすっかり日本でお馴染みとなった頃、ヨーロッパから「エシャロット」という、エシャレットとは一文字違いの野菜が輸入されはじめます。こちらは小ぶりの玉ねぎのような外見で、刻んでソースなどに使われます。

さて、ここにきて、いよいよ話はややこしくなり、この見た目も食べ方も全く異なる二つの野菜が、しばしば混同されるようになったのです。あまりにも間違われやすいので、ヨーロッパのエシャロットを「ベルギーエシャロット」などとわざわざ呼ぶことも。

本場の「エシャロット」にっとては何ともありがた迷惑な話ですね。


参考:浜松情報Book


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