遠州ブランドスピリッツ

STORY

地域とつながる、遠州銘菓

2015.03.30
■インタビュー/和洋菓子司 入河屋 松嵜 善治郎
【第3話】

役に立つことで、地域とつながる

都会に行かなくても、味わえる便利さを

T洋菓子の販売は、いつごろ始められたのでしょうか?
松嵜私の父である四代目からです。今からちょうど50年ぐらい前、まだ父が修行に行く前のことですが、ある洋菓子店のケーキを食べたそうです。その味に、「世の中に、こんなにおいしいものがあったのか!」と衝撃を受け、洋菓子修行に行くことに決めたということです。父が戻ってきてから、洋菓子も販売を始めて、今も作り続けています。
Tそうだったのですね。
松嵜三ヶ日で洋菓子を始めたのも、うちが最初でした。今思いますと、和菓子だけでなく、洋菓子もやっていて良かったなと思います。やはり、お客さまの立場からすれば、都会に出なければ買えないよりも、地元にあっていつでも買えるというほうが便利です。

130年間続いた、地元への感謝

Tやはり地域への想いというのは、特別なものがあるのでしょうか?
松嵜そうですね。うちはもう創業から130年です。これだけ続いているというのは、考えてみれば、130年間、入河屋のお菓子を買っていただいている、ということで、それはすごいことです。
T確かに。
松嵜店を作った当時は恐らく、「うちが儲かればいい」という考えでいいのでしょうけれども、これだけ長くやらせていただけると、自分たちの力というよりも、地域のみなさまに育てていただいたおかげであり、逆に地域に支えてもらってきたという、感謝のほうが大きいのです。言いかえれば、地域の人が「入河屋があって良かった」と思ってもらえるようにやっていかないと、長続きしません。

ですから、「地域の役に立つ」ということが一番の中心にあって、地元の素材を使うとか、地元のPRになることが大切だと思いますし、そこがあってこそ、お互いにとって良い関係をたもてると思うのです。

地域の中で、良いサイクルをつくっていく

T今年は創業130年の節目の年ですが、何か特別に考えていらっしゃることはありますか?
松嵜そうですね。感謝祭を毎年やるのですが、今年はそれにより力を入れたいと考えています。それ以外に関しては、特別というよりは、日々当たり前に一つ一つのことを、きちんとやるということのほうが大切な気がします。毎日の仕事の中で、地元のお客さまへの感謝の気持ちを持ってやる。きっと、それが一番ではないかと思います。
Tなるほど。
松嵜私の祖父は、「良品は、声なくして、人を呼ぶ」と口癖のように言っていました。「いいものを作れば、お客さまはきっと来てくれる」ということで、本当にその通りだと思うのです。

私自身、喜んでもらえるものを作ることが、一番楽しいのです。「おいしかったよ」と言ってもらえると、もっと良くしようという気持ちが出てきます。そこでまた頑張ると、またお客さまから褒めてもらえるので、さらに頑張ろうと思う。そういった、良いサイクルが地域の中で続いていくように、これからも自分の役目を果たしていきたいと思います。

2015年2月



■PROFILE

和洋菓子司 入河屋

明治18年創業の和洋菓子店。三ヶ日みかんを使った「みかん最中」をはじめ、地元の素材をいかした菓子づくりを続けています。三ヶ日町の本店、豊橋湊町店、遠鉄店(遠鉄百貨店内)の3店舗ほか、一部商品はオンラインショップでの購入もできます。

■ホームページ:http://www.irikawaya.co.jp/

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