遠州ブランドスピリッツ

STORY

遠州織物、未来のかたち

2017.03.23
■対談/HUIS(ハウス)  松下あゆみ x 遠州綿紬 ぬくもり工房 大高旭
【第2話】

「織物の産地」をつなぐ人々

生地づくりの現場の世代交代

HUIS(ハウス) やぬくもり工房のように、若い世代が中心となってブランドが育っていく中で、機屋さんの現場は、高齢化と後継者不足が課題になっています。

「HUISの生地を生産している機屋さんでは、娘さん夫妻が後継者として会社に入り、うまく世代交代ができつつあるのですが、多くの機屋さんの状況は、なかなか厳しいのが現状だと聞きます。」と松下さん。

ほかにも、繊維産業を支える人材は、機織りの機械や部品を作る人、修理・メンテナンスをする人など、多岐にわたります。生地を織る人だけでなく、こうした生地作りにかかわる、あらゆる人たちの技術や知識を受け継いでいくことも、繊維の町として残っていくためには、必要なことなのだそうです。

知ってもらうことで、人材が育つ

機屋さんや縫製工場は名前が出ないことが多く、それが産地としてのブランド力の向上をさまたげている部分もある、と考える、ぬくもり工房代表の大高さん。

「将来的には、生地、縫製、企画・販売、それぞれの名前が商品タグに出て、それが安心感やブランド価値、その仕事にたずさわる人の誇りにもつながれば、と思いますね。」

そんな中、最近は心強いニュースもあったそうです。

ぬくもり工房のスタッフの一人が、「へ通し(織物の機械に糸を通す作業)」の職人として独立するために、近々、機屋さんで修行を始めるのだそう。仲間がぬくもり工房から巣立っていくことは寂しい部分もありますが、大きな目で見れば産地としてとてもプラスなことだと、大高さんは言います。

「好きだからつくる」が遠州の強み

松下さん のように「好きだからつくる」という人たちが出てきてくれることは、大歓迎だという大高さん。

「ほかの産地では、行政と機屋さんが組んで、外からデザイナーを連れてきてイベント的に何かをつくる、というケースが多いのですが、遠州では自分たちの好きなもの、良いと思うものを自発的につくっている人たちが多いのです。その自発性が、他産地との圧倒的な違いで、結果として産地の活力になると思うのです。」

大高さんの言葉に、松下さんが続けます。

「たしかに、そうですね。ブランドを立ち上げて3年目ですが、HUIS の服を通して、浜松を中心に若い人たちに遠州織物を知ってもらうキッカケづくりができてきたと思うのですが、まだまだほんの一部です。

自分が『好き』と思える服をつくることはこれからも変わらないと思いますが、少しずつ、全国に向けて広げていけたらと思います。」

「好きだからつくる」。そんなブランドやつくり手が増えていくことで、遠州織物が未来へしっかりと引き継がれていきそうです。

2017年2月

■PROFILE

HUIS(ハウス)

2014年10月より、遠州織物のシャツや服飾小物を企画・販売。オリジナルの生地を使い、細部にまでこだわり抜いたデザインで、愛着を持って長く着られる服づくりを目指します。ショールームやネットショップほか、遠州地域内のカフェやインテリアショップ等でも購入できます。

■ホームページ:http://1-huis.com/
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