TOWTOWMI SELECTION

STORY

遠州色のジャムづくり

2014.05.12
■インタビュー/ひなたカフェ 村松 陽子・村松 正規
【第3話】

「旬」を閉じ込める保存食

ジャムづくりの概念を変えた、東京での経験

Tジャムづくりは、どこかに習いに行かれたのですか?村松 陽子最初は独学です。その後、東京のジャム専門店でやっていたジャムレッスンがとても人気があり、これはいいと思ってそれに申し込んで、まず最初に主人が行ったのです。Tそうなのですか!?村松 正規そうですね(笑)。ジャムづくりは最初は家内がやっていたのですが、だんだん僕がハマりだして・・・。家内はランチをやっていたので、「じゃあ、あなたが行ってくれば?」ということになりました。一昨年の5月に行ったのですが、女性ばかりの中で、もう真剣にやりました。??

そこでの作り方が、今までの自分達のジャムの作り方と全く違っていたのです。その後は、これまでの製法を全く変えて、銅鍋で一気に加熱して、いろいろな種類を少量ずつ作るというやり方になりました。村松 陽子ジャムというのは確かに保存食なんですけれども、煮詰めて香りや色、味も飛んでしまったようなものが、何年でも持つという考え方ではなく、旬に近い状態で閉じ込めて、3ヶ月から半年は持つというような考え方に切り替えました。そうしたら、やはりお客様もそのようなジャムを求めているということに気づきました。色もきれいにできるようになりました。

その時ごとに変わる、個性豊かな味わい

Tジャムは何種類ぐらい作っていますか?村松 陽子季節によって減ったり増えたりしますが、10種類前後になるのではないでしょうか。Tジャムづくりの難しさのようなものはありますか?村松 陽子その時々で果物に個性があるので、毎回煮上がりの見極めが難しいというのはあります。毎回表情が違って同じ味にはならないのです。もちろん、手作りだから個性があって当然なのですが。

組み合わせに関しても、合うものと合わないものがあって、例えば、バナナとレモンは硬くなり過ぎてしまいました。レモンというのは結構固まりやすいのです。バナナもトロッとしているので、余計硬くなってしまって。村松 陽子量産されているジャムはペクチンを入れて硬さを調整していますが、うちのジャムはペクチンを入れていないので、ブルーベリーなどはサラッとした感じで、バナナは少々トロッとしています。それを組み合わせると、いい具合にトロッとした感じになるので、バナナとブルーベリーは味も硬さも良かったのです。T味も、硬さも、両方大事なんですね。村松 正規そうですね。要は「ジャムらしさ」ですよね。2人で、ブルーベリーを置いて、「バナナはどれぐらい入れようか?」という相談をして、「よし、これぐらいだろう」という、これはもう本当に感覚です。Tなるほど。村松 陽子あとは、1種類だと単調になってしまうものに対しても、もう少し味を補強します。イチジクなどだったらシナモンとレモンを多めに入れたりとか。村松 正規イチジクというのは、どうしても匂いが少々土っぽいような、野性味のある匂いがするものだから、これは匂い消しではないけれども、シナモンが合いそうではないかと言って、シナモンを入れてみたりしています。

つづく

■PROFILE

ひなたカフェ

昨年、自宅カフェを閉店し、ジャム専門店として生まれ変わった『ひなたカフェ』。主に地元産の旬のくだものを使い、季節感あふれるジャムやマーマレードを作っています。妻・陽子さんのジャムづくりを、夫の正規さんが会社勤めのかたわらサポート。イベントでの販売のほか、メールや電話によるオーダーも受け付けています。


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