南浜名湖はエビの産地。
全国でも珍しい海につながる浜名湖は、多くのエビ類が海と行き来し育ち、深海にもつながる舞阪沖からは、深い海のエビが揚がります。
今回は市場に揚がる浜名湖のエビと海のエビのうち3種類をご紹介します。
今や「アカザエビ」といえば、イセエビを凌ぐ人気。
深海エビであるアカザエビの水揚げされる産地では、海鮮のおススメとして紹介されています。
遠州灘への底曳き漁を持つ舞阪も同じ、最高級エビとして扱われています。
舞阪市場で扱われるアカザエビは、市場名を「テナガエビ」、「テナガ」と呼ばれます。
あの川エビのテナガエビと同じ呼び方ですが、舞阪ではアカザエビのことです。
アカザエビの主な水揚げは、例年9月1日から翌年5月15日までの底曳き漁での水揚げです。
真っ黒なサングラスをかけたようなギャング顔に独特の姿、人気急上昇の舞阪の高級エビです。
浜名湖の漁は、伝統の小型定置網「角立て網(かくだてあみ)」の解禁に合わせて4月1日から本格的となります。
春から初夏に現れるのが浜名湖のエビたち。
その中で庶民エビとして親しまれているのがボソと呼ばれる「ヨシエビ」です。
初夏と共に獲れだす浜名湖特産のサイマキことクルマエビは高級エビですが、ボソはそれよりやや庶民的な値段で取引されています。
模様などがない、やや硬めの殻の下にムッチリと身が入り、サイマキ同様に天ぷらなどで楽しめます。
真夏とともにやや水揚げが減りますが、その後また増えてくる浜名湖の重要なエビのひとつです。
最後にご紹介するのは、舞阪漁港の底曳き漁や魚網で揚がる「ウチワエビ」です。
ウチワエビの英名はFlathead lobster, Slipper lobsterという、フラットヘッドはマゴチなどとも同じひらべったく、スリッパーは言うまでもありません。
このエビに関する逸話をご紹介します。
体の周りがまるでノコギリ(丸ノコ)のようなウチワエビ。
あるとき撮影させていただいているときに、足元に落としてしまいました。
なんと長靴深くグサリと突き刺さってしまいました。それほどのノコ歯をしています。
一見薄っぺらくて身がないように思えますが、腹側から見ればこの大きな尾から胸あたりまでに真っ白い身を持っています。
味噌汁にしておいしく焼いておいしく、もちろん刺身として最上級の楽しみがあります。舞阪の魚を扱うお店でお求めください。
さまざまな形や色のエビが生息していて、知れば知るほど浜名湖の魅力を感じますね。
次回も引き続きエビのご紹介をしますのでお楽しみに!
■資料提供:南浜名湖FISH&TIPS