遠州灘・浜名湖おさかな通信vol.122「珍しい名前や模様のカニがたくさん!」

2020.06.30

 

南浜名湖はカニの産地。

 

全国でも珍しい海につながる浜名湖は、多くのワタリガニ類などが海と行き来し育ち、深海にもつながる舞阪沖から水揚げされます。

 

前回に引き続き、今回も浜名湖のさまざまなカニをご紹介します。

 

前回の記事はこちら

 

浜名湖には「イシガニ」の名を持つカニが数種類、棲んでいます。

 

マッチョな甲羅を持ち、美しいハサミ脚を振りあげて威嚇するイシガニを見たら、二つ割りで椀に入れようと思うべし。

 

ワタリガニほど高くありませんから、数が買えればたっぷりのカニ汁を楽しめます。

 

イシガニ(一部コウマルと呼ぶことも)には、2種類の甲羅があり、表面が黒・緑光するものとザラザラのものが浜名湖の雄踏・鷲津市場などで混ざって水揚げされます。

 

イシガニも最後端の足先がボートのオールのような遊泳脚となっていますから、ガザミなどワタリガニなど泳ぐカニの仲間だといえます。

 

 

ワタリガニと見れば蒸す・茹でて、ごちそうにしますが、イシガニは割って椀からはみ出させるカニ汁がおすすめです。

 

よく洗い、二つに割って味噌を投入した汁にするだけ。

 

優美な甲羅を鑑賞しながら汁にとろけだしたカニ汁のうまさ、身をほじる楽しさは格別のものがあります。

 

 

イシガニに続き、珍しい赤色が目立つのは「シマイシガニ」。

 

トラ縞を持つからと「トラガニ」と呼ばれることが最も多く、浜名湖の雄踏・鷲津市場に少量水揚げされます。

 

不思議なもので、海とつながることから、さまざまな海の魚や生き物が出入りする浜名湖にも、赤い色のものは珍しいです。

 

市場でもあれば大いに目立ちますが、浅い浜名湖では目立ってしまってエサにされてしまうのかもしれません。

 

その中を生き抜いて育つシマイシガニは珍しい浜名湖の赤となっています。

 

 

浜名湖に棲んではいるが数は揚がらない、最後端の足先がボートのオールのような遊泳脚となり泳ぐことができるカニの仲間です。

 

 

つづいては、面白い名を持つ「ジャノメガザミ」です。

 

ジャノメとは伝統文様のひとつで、同心円の模様。

 

つまり丸の中心の丸ですから、目玉もようなもの。そこで蛇(へび)の目のようだということです。

 

 

主に浜名湖に棲むジャノメガザミは、過去にはヒラツメガニ(通称Hガニ)と共に多く獲れたカニでしたが、今は少量の水揚げとなっています。

 

かつてはこの甲羅の模様が三つの星であることから、陸軍の上等兵の襟章を連想させ「上等兵」と呼ばれ愛されていました。

 

 

最後に、浜名湖には伊豆河津などで珍重されるズガニことモクズガニが棲み、冬に水揚げされています。

 

このカニは中国の高級ガニの上海ガニと近似種といわれています。

 

ハサミ脚などに毛を生やした様子が藻屑に見えるからモクズガニ。

 

岸辺のヨシなどの中に棲み、ガザミなどのように泳ぐことはありませんが、群れていますので時に大量に獲れることがあります。

 

 

よく泥を吐かせてから、すり潰して鍋の湯の中でたんぱく質を固める「ズガニ汁」のほか、大きめのものはガザミなどと同様に蒸す・茹でるなどしても楽しめます。

 

浜名湖の雄踏、鷲津市場の冬に水揚げされるモクズガニ。

 

モジャモジャのハサミ脚の先だけ真っ白、数が買えますからいろんな楽しみ方ができそうです。

 

次回も浜名湖のカニをご紹介しますのでお楽しみに!

 

■資料提供:南浜名湖FISH&TIPS

COLUMNIST

TOWTOWMI編集部

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