土着の道具を語る その4「染型紙」

2015.11.01

道具をキーにして遠州を見つめる第四弾は、遠州の最奥、水窪の町に伝わる多数の「染型紙」です。

水窪町は、浜松駅からは2時間ほど北上した、長野県との県境の町。やまあいにありながら比較的開けた土地に集落があります。信州への「塩の道」の宿場町として栄えました。

「染型紙」は、町の中ほどにある民俗資料館に、なんと500枚も大切に保管されています。染型紙とは、着物の模様を染めるための型。浴衣の柄を思い浮かべると分かりやすいかもしれません。柄はとても細かく、型紙そのものが美しい。なおかつ染めの加工をしても破れない強さを持つ紙で、これらの模様を切り抜く手間と時間はいかほどかと思います。今となっては遠州の一番端っこに位置する水窪ですが、鉄道や自動車の道が整備されるまでは長野に通じる大事な道の宿場町でした。近代に入っても「水窪町」として独立した文化圏を作っていましたが、現在では、行政上、水窪町は浜松市と合併し、「多の中の1つの町」となりました。

こういった民俗資料館も、市内に10以上ある館のうちの一つという立場となり、行政も効率化・コストカットが重要なこのご時世、いつまで資料を見学できるか分かりません。

ぜひ、水窪の町まで出かけ、美しい型紙をご覧ください。
市街地から山道を1時間以上走った後に、目の前に広がる水窪の町の広さも、ちょっとした見どころです。

??浜松市ホームページ「水窪民俗資料館」
??ふじのくに文化資料データベース「浜松市水窪民俗資料館」

写真:浜松市博物館提供・掲載承諾済

COLUMNIST

Saiko Hakamata

大学卒業後、東京に本社を置く企業に6年間在籍、計10年を東京で過ごす。30代に入り、故郷・浜松にUターン。高校卒業以来の遠州ライフを楽しんでいる。

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