立木の香り

2014.12.08
この季節、イチョウの葉が鮮やかに色づきます。そして、銀杏(ぎんなん)の不思議な香りもしてきますね・・・

普段の暮らしでもときどき感じる自然からの香り。
今回は、遠州にまつわる「木」の香りについて取り上げます。
・・・木は木でも「立木」で香るものについて。

「木の香り」という言葉で、まず真っ先に思い出すのは「ヒノキの香り」という方は多いことと思います。ヒノキ風呂なんて素敵ですねえ! ヒノキのあの爽やかな香りは、木を切った材木から香っているものですが、今回取り上げるのは、地面に生えている「立木」の状態でも香ってくる木を紹介します。

まずは、柿。
今年の秋は召し上がりましたか?
遠州特産の次郎柿は、平で四角い実が特徴。
こんな感じで実ります。

柿の実ってあんまり香らないですよね。
香るのは葉っぱ。「柿の葉鮨」でおなじみの柿の葉です。
お鮨をくるんでいるのは青々とした葉ですが、実は柿の葉は紅葉します。
そうすると、なんというか、「柿の葉っぱのにおい」としか言えない香りがします。ちょっと甘い感じの・・・

紅葉した葉が落ちて、木の下にたまっているとよく香ります。
遠州在住の方は、近所の柿の木で試してみてください!!
今時分は、下に葉っぱがたまっていると思います・・・

普通、柿の葉っぱのにおいなど気にしないでしょうし、私も全然柿の葉っぱの香りなど気にしないで生きていたのですが、あるとき「何の葉か分からないけど色がきれいだったから」と葉っぱを渡されたことがあり、とっさに香りで柿だと断定した思い出があります。

柿の葉の紅葉って斑点があって独特なので見た目で判断できそうなものの、見た目では「柿だろうな」とまでしか踏み込めなかった一方、嗅いだ瞬間に柿であることが断定できました。やっぱり嗅覚ってのは鋭いものだなと実感した次第・・

続いてご紹介するのは、これからの季節、コタツとともにお世話になるミカン・・の木です!
ミカンの木は、苦い香りがします。なんだか黒い粉が幹についていて、たぶんそいつが苦いんだと、個人的には思っています。ミカンの皮(オレンジピールですね)や、あの中の白い筋って、ちょっと苦いところがありますよね? あの苦さが、木の前に立つとただよってくるわけです!

別にミカンの木が苦く香ることを知っていても何のメリットもないんですが・・・笑。とにかくミカンの木は苦いです。

最後に、松の木。
浜松市の「市の木」に制定されています。海岸線の防風林として整備されていたり、旧東海道の沿道の松が一部残っていたり、とても由緒を感じる木です。
松の木に近づくと、甘いような青臭いような、やっぱり「松の木のにおい」としか言えない香りが、かなり攻めてきます。けっこうな主張です。夏によく香る印象がありますので、暑い季節がきたら、松のことを思い出してやってください。

普段、香りをあまり気にしないでも暮らせるのですが、ちょっと気にしてみると、ちょっとだけ面白いですよ!

COLUMNIST

Saiko Hakamata

大学卒業後、東京に本社を置く企業に6年間在籍、計10年を東京で過ごす。30代に入り、故郷・浜松にUターン。高校卒業以来の遠州ライフを楽しんでいる。

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