遠州ブランドスピリッツ

STORY

遠州織物、未来のかたち

2017.03.17
■対談/HUIS(ハウス)  松下あゆみ x 遠州綿紬 ぬくもり工房 大高旭

遠州織物を使ったシンプルなシャツなど、毎日の暮らしに馴染む、上質で長く着られる服づくりをするHUIS(ハウス)。直営店にてHUISのアイテムを取り扱っている遠州綿紬ぬくもり工房代表の大高旭さんと、HUIS代表の松下あゆみさんが、生地の産地・遠州の「今」と「未来」について、それぞれの想いを語ります。

【第1話】

遠州織物に、想いを込めて

幅広い世代に、伝える

お二人の出会いは、3年ほど前。まだ松下さんがHUISをはじめて間もない頃に、ぬくもり工房 代表の大高さんがHUISのホームページを見て、声をかけたそうです。

「HUISを立ち上げてすぐに、大高さんに興味を持ってもらえたことは、とても嬉しかったですね。遠州綿紬をあつかう『ぬくもり工房』という存在が先にあって、遠州を生地の産地としてPRしてくれていたからこそ、HUISもあとに続いていけたと思うのです。」と松下さん。

HUISに興味を持った理由を大高さんにたずねてみました。

「遠州の織物を使って、HUISさんのような切り口でものづくりをしているところを、ほかで見たことがなくて。実際に手にしてみて、『自分も普段着として着たいな』と自然に思える、シンプルさが魅力だと思いましたね。」

当時は、ぬくもり工房も実店舗をオープンしたばかりで、お店に置く商品のラインナップを模索していた時期です。はっきりとした縞柄が多い遠州綿紬は、シャツやバッグなどの大きなものより、小物のほうが柄の魅力が際立つ、と感じ始めた大高さん。

お店の中でも、綿紬だけがメインになるのではなく、さまざまなブランドの商品を置きたいと思ったそうです。

また和のイメージが強い綿紬は、どちらかというと熟年世代に人気でしたが、これから先、遠州が織物の産地として生き残っていくためには、若い世代に受け入れられることが大前提。HUISの商品が加わることで、子供からお年寄りまで、幅広い世代に遠州織物の良さを伝えることができる、と考えたそうです。

「そもそも、縞柄だらけの空間では疲れてしまいますよね(笑)。」と大高さん。

一歩引いた冷静な目で見ることができるのは、「産地を残していく」という大きな目標があるからこそ。

良いものこそ、毎日着てほしい

一方の松下さんは、大高さんとは異なり、純粋に自分の好きなものをつくりたい、という想いからHUISを立ち上げました。

良い服をつくる上でかかせない上質な生地を地元で手に入れることができるのは、幸運だったと松下さんは言います。一般にはあまり知られていませんが、遠州産の生地は国内外の高級ブランドで使われていて、業界ではその品質はお墨付きです。

「私はたまたま遠州織物を手にとる機会があり、その質感や手触りにひとめぼれしました。服が好きだということもありますが、遠州織物との出会いそのものが、HUISをはじめる大きな理由だったといえます。」

素材の良さと、シンプルながらディテールにこだわったデザイン。HUISの服の中でその二つが共存して、お互いを引き立てあっているようです。

HUISの商品にも使われている生地は、昔ながらのシャトル織機でゆっくりと織られていて、独特の凹凸感が肌触りの良さを生みます。こうした質感は、最新式の高速織機では決して再現できないものだそう。また高密度で織られているので強度もあり、繰り返しの洗濯にも耐えられるのです。

「高級ブランドの服だと、せっかく耐久性がある生地なのに特別な日にしか着てもらえない。だからHUISはあえて、家族みんなで着られるような『日常の服』をつくっているのです。」と松下さん。

オランダ語で「家」を意味する「HUIS」というブランド名に込められた想いが、しっかりと服づくりに息づいています。

つづく

■PROFILE

HUIS(ハウス)

2014年10月より、遠州織物のシャツや服飾小物を企画・販売。オリジナルの生地を使い、細部にまでこだわり抜いたデザインで、愛着を持って長く着られる服づくりを目指します。ショールームやネットショップほか、遠州地域内のカフェやインテリアショップ等でも購入できます。

■ホームページ:http://1-huis.com/
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